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きょう6月6日、歌舞伎(昼の部)を観に行ってまいりました。

 

演目 出演者
傾城反魂香 浮世又平:市川中車
女房おとく:中村壱太郎
土佐光信:中村歌六
修理之助正澄:市川團子
児雷也 児雷也:中村芝翫
仙素道人:中村松江
妖婦越路実は綱手:片岡孝太郎
扇獅子 お福:中村福助
お壱:中村壱太郎
お新:坂東新悟
お種:中村種之助
お米:中村米吉
お梅:中村児太郎

 

 

「傾城反魂香」の中車さん、これまでの歌舞伎のお芝居で一番よかった!!!!

又平役は、吃音で踊りもあって、大変だったと思いますが、何とも自然。

 

また、おとく役の猿之助さんが休演になったので、代役が壱太郎さんに。

壱太郎さんも素晴らしすぎる。

團子ちゃんも弟弟子役が若々しくてよかった!

 

 

傾城反魂香について

 

この作品はもともと、近松門左衛門によって書かれた人形浄瑠璃で、宝永5年(1708年)に大坂竹本座で初演されました。

 

作品は狩野元信の150回忌を祝って作られ、絵師狩野元信と彼の恋人である銀杏の恋愛を描きながら、正直な絵師又平(岩佐又兵衛のモデル)の逸話と、名古屋山三と不破伴左衛門の争いから生じる家族の騒動を組み合わせたものです。

 

歌舞伎化は享保4年(1719年)に大坂で行われました。初演後まもなく、人形浄瑠璃と歌舞伎の両方で、「吃又」という部分が単独で繰り返し上演されるようになりました。

 

 

傾城反魂香のあらすじ

 

時の帝の怒りを受けて、絵師の土佐将監は妻の北の方と共に山科の国に隠れ住んでいました。

その地域で虎が出没し、弟子の修理之助は虎がこの地には存在しないはずだと疑問に思っています。

 

すると、裏の茂みから巨大な虎が現れます。驚き恐れる村人たちを無視し、将監はこの虎が名人狩野四郎次郎元信の描いた虎の魂が宿ったものであると見抜きます。

修理之助は自分の筆力で虎を消し去ろうと筆を振り、見事に描き消します。

 

将監は弟子の実力を認め、修理之助に土佐光澄の名と免許皆伝の書を授けます。

この話を聞いた兄弟子の浮世又平は妻のおとくと共に師に免許皆伝を頼み込みます。

 

又平は人付き合いがよく絵の腕も優れていますが、生まれつき吃音の障害を抱え、物欲がありません。

彼は自身の優れた技術を持ちながらも、大津絵を描いて生計を立てているという状況です。

 

このような弟子にイライラした師は、彼に野心がないと判断し、許可を与えません。

妻のおとくが夫の口の不自由な状態を代わって訴えても、駄目でした。

 

その時、元信の弟子である雅楽之助が師の危機を伝えます。

又平は、これが自分にとっての功績となる機会であり、助け船に乗りたいと願いますが、残念ながら拒否され、修理之助が向かうことになります。

 

又平は自分の努力が認められず、自身の障害のために絶望感に包まれます。

夫婦は涙を流しながら、せめてこの世に名残として絵姿を描き残そうと考え、手水鉢を墓碑に見立てて自画像を描きます。

 

最後の力を込めて描かれた絵姿は、力強さのために筆が手から離れないほどでした。

おとくが水杯を汲もうと手水鉢を見ると、なんと自画像が裏側まで突き抜けていたのです。

 

「抜けた!」と驚く又平。

将監は又平の執念が奇跡を起こしたと感心し、又平の筆力を認めて土佐光起の名と免許皆伝を授け、元信の救出を命じます。

 

又平は北の方から与えられた紋付き羽織袴と脇差しを身に着け、おとくが叩く鼓に乗って心から楽しそうに祝いの舞を舞います。

 

そして口上で舞の文句を言うと、きちんと話せることがわかります。

将監から免許状の巻物と筆を授けられた又平夫婦は喜び勇んで助け船に向かうのでした。

 

 

児雷也のあらすじ

 

大蛇丸によって滅ぼされた名門の家の子、児雷也と綱手姫は、仙素道人に助けられ育てられます。

道人は、成人になった二人に児雷也には蝦蟇の術、綱手にはなめくじの術を授け、二人で助け合って親の仇を討つように話します。

 

その後、児雷也は金持ちから金を奪い、貧しい者に分け与える義賊として名をはせる一方、親の仇である大蛇丸に近づく計画を立てていました。

 

ある日、児雷也は一人で大蛇丸の陣に乗り込むのですが、大蛇丸の毒気に当たり、目が見えなくなり、身動きも取れなくなってしまいます。

絶体絶命のピンチでしたが、綱手が現れて助けられます。

 

不自由な身体になった児雷也と綱手は箱根の温泉に滞在します。

宿の娘あやめは、綱手がいない時を見計らって、児雷也のところへ忍んで行き、ずっと慕っていたと素直に告白します。

 

そこに、帰ってきた綱手に対し、あやめは嫉妬して突然襲いかかり、もみ合ううちにあやめは傷を負ってしまいます。

 

するとあやめは「実は私は児雷也の姉の雛衣姫」と身の上を明かし、「大蛇の毒は巳の年の巳の日、巳の刻生まれの女の生き血を飲めば直る」と知り、児雷也に自分の生血を飲ませようと考えて自ら傷を負ったのでした。

 

お陰で児雷也の目は見えるようになり、手足に力が戻ってきます。

 

その後、児雷也は回復し、綱手と共に地獄谷で大蛇丸と対決します。そして、ついに児雷也が大蛇丸を打ち破り勝利を収めるのでした。

 

扇獅子のあらすじ

 

扇獅子は、清元の舞踊です。

庭木の梅が咲き、鶯の鳴く新緑の頃、花も若葉となり鰹の売り声が聞こえてくる初夏、秋風が吹く季節になっても賑やかな日本橋の魚河岸の様子、そして真っ白な雪景色となって冬を迎える。

 

四季折々の風情を巧みに描いた舞踊を鳶頭と芸者が扇獅子を手にして清元に乗せて艶やかに踊ります。

江戸情緒あふれる華やかな舞踊を日本橋を舞台に芸者たちが表現します。

女形がずらりとそろう舞台は華やかです。

 

 

きょうの歌舞伎座

 

 

 

きょうは、ほとんど満席でした。

 

 

 

すべて見ごたえのある演目。

 

 

 

チラシの大看板。

 

 

 

 

早起きが苦手な私には、ちょっと寝不足。

観劇の後は、お気に入りのカフェてちょっと一息。

もう一回見たいと思うほど、中車さん良かったな~。

 

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